SINSEI BUTSURYU

COLUMN

コラム

物流DX

なぜ運送会社が
Next.jsでコーポレートサイトを
作り直したのか

WordPress脱却とIT内製化の記録

2001年に滋賀県甲賀市で創業した新生物流有限会社は、一般貨物運送事業を核としながら、 倉庫事業、点呼BPO事業、ITコンサルティング事業へと事業領域を広げてきました。 そしてこの度、長年運用してきたWordPressサイトを廃止し、Next.js 14 + Vercelという モダンなWeb技術スタックでコーポレートサイトをフルリニューアルしました。 運送会社がなぜこの選択をしたのか。その背景と意義を、技術・経営の両面からお伝えします。

PROBLEM
OLD WEBSITE

旧サイト(WordPress)が抱えていた課題

SPEED

表示速度の問題

プラグインの肥大化により、モバイルでのページ読み込みに3秒以上かかるケースがあった。Core Web Vitalsのスコアも低下傾向にあった。

SECURITY

セキュリティリスク

WordPress本体とプラグインのアップデート管理が常態化。脆弱性情報のチェック、バックアップ、更新作業に月数時間を費やしていた。

COST

運用コスト

レンタルサーバー費用に加え、有料プラグイン・テーマのライセンス更新費用が毎年発生。トラブル時の復旧対応も大きな負担だった。

DESIGN

デザインの限界

テーマの制約により、思い描くブランドイメージを正確に表現することが難しかった。カスタマイズにも限界があった。

WordPressは優れたCMSですが、物流業界の中小企業にとって、 プラグイン管理やセキュリティ対応は本業とは無関係な負担でした。 「もっとシンプルに、もっと速く、もっと安全に」——それがリニューアルの出発点です。

WHY NEXT.JS

なぜNext.jsを選んだのか

Next.jsは、Meta(旧Facebook)が開発したReactをベースとした、 Vercel社が提供するフルスタックWebフレームワークです。 Netflix、Nike、TikTok、任天堂など、世界中の大手企業が採用しています。

「運送会社がなぜそんな先端技術を?」と思われるかもしれません。 しかし私たちが求めていたのはシンプルさでした。

  • 1.データベース不要 — コンテンツはMarkdownファイルで管理。SQLインジェクションのリスクがそもそも存在しない
  • 2.管理画面不要 — ログイン画面がないため、不正アクセスの入口がない
  • 3.プラグイン不要 — 必要な機能はTypeScriptで直接実装。依存関係を最小限に抑えられる
  • 4.自動デプロイ — GitHubにpushするだけで数秒後に本番反映。FTP不要、サーバー再起動不要

結果として、より安全で、より速く、より安価にサイトを運用できるようになりました。 技術の先進性ではなく、運用の合理性でNext.jsを選んだのです。

TECH STACK

採用した技術スタック

フレームワーク

Next.js 14 (App Router)

Reactベースのフルスタックフレームワーク。サーバーサイドレンダリングと静的サイト生成を両立

言語

TypeScript

型安全な開発で、バグを未然に防止。大規模な変更にも安心して対応可能

スタイリング

Tailwind CSS

ユーティリティファーストのCSSフレームワーク。デザインの一貫性を保ちながら高速に開発

ホスティング

Vercel

GitHub連携で自動デプロイ。世界中のエッジネットワークから配信し、表示速度を最大化

SNS連携

Instagram Graph API

Instagram投稿を自動取得してサイトに表示。手動更新不要

メール送信

Nodemailer

お問い合わせフォームからの送信をAPI Routeで処理。サーバーレスで安定稼働

BENEFIT

リニューアルで得られた5つのメリット

01

爆速表示

静的サイト生成(SSG)により、ページ表示はほぼ瞬時。Vercelのエッジネットワークから世界中に配信され、どこからアクセスしても高速。

02

セキュリティ強化

データベースなし、管理画面なし。攻撃対象となるサーバーサイドの動的処理が大幅に減少し、セキュリティリスクを根本から排除。

03

運用コスト削減

Vercelの無料枠で十分に運用可能。プラグインのライセンス費用もゼロ。浮いたコストを本業の設備投資に回せる。

04

自由なデザイン

モダンなコーポレートデザインをゼロから実装。ブラーアニメーション、スプリットレイアウトなど、テーマの制約なく自由に表現可能。

05

AI駆動の運用

コンテンツ更新はAI(Claude)がコードを生成し、git pushするだけで自動デプロイ。専門知識がなくても最新状態を維持できる。

STRATEGY

経営戦略としてのサイトリニューアル

2024年問題とDXの加速

2024年4月の改正改善基準告示の適用、そして物流関連2法の改正により、 運送業界は大きな転換期を迎えています。ドライバーの労働時間制限が厳格化される中、 業務効率化は「やったほうがいい」ではなく「やらなければ生き残れない」フェーズに入りました。

コーポレートサイトのリニューアルは、単なるホームページの刷新ではありません。 IT点呼システムの導入、kintoneによる業務管理の内製化、AIの活用—— これらの全社的なIT化戦略の一環として位置づけています。

「物流 x IT」のブランディング

新生物流は、一般貨物運送事業に加えて、点呼BPO事業とITコンサルティング事業を展開しています。 他の運送会社にIT点呼システムを販売し、kintone導入を支援し、物流DXのコンサルティングを行う—— そんな会社のコーポレートサイトが旧来のWordPressテーマのままでは説得力がありません。

Next.jsで構築された高速でモダンなサイトは、それ自体が「物流 x IT」を体現するショーケースになります。 「この運送会社はIT分野でも信頼できる」というメッセージを、サイトを訪れた瞬間に伝えることができるのです。

DIY
IN-HOUSE IT

運送会社がIT内製化する意義

「運送会社がNext.jsでサイトを作っている」——業界関係者が聞けば驚くかもしれません。 しかし、私たちはこれを特別なことだとは考えていません。

運送業界では、配車システム、動態管理、デジタコ、IT点呼など、 すでに多くのITシステムが日常業務に組み込まれています。 しかしそのほとんどが外部ベンダー依存であり、 カスタマイズの自由度は低く、ベンダーロックインのリスクを抱えています。

IT内製化で変わること

  • +システム間の連携を自社でコントロールできる
  • +業務改善のアイデアを即座に実装できる
  • +外注費を削減し、ノウハウを社内に蓄積できる
  • +AIツールの活用により、少人数でも高度な開発が可能になっている

特にAI技術の進化により、コーディングのハードルは劇的に下がっています。 今回のサイトリニューアルでも、AI(Claude)を全面的に活用しています。 テキスト原稿をAIに渡すだけで、コードが生成され、GitHubにpushするだけで本番に反映される—— この運用フローこそ、中小運送会社でもIT内製化が可能であることの証明です。

FUTURE

今後の展望

コーポレートサイトのリニューアルは、IT化の終着点ではなく出発点です。 今後は以下の展開を計画しています。

SINSEI PORT

統合ポータルとの連携

社内向け統合ポータル「SINSEI PORT」との連携を視野に入れ、 採用エントリー、ドライバー専用ページ、顧客向けステータス確認など、 コーポレートサイトを起点とした機能拡張を進めていきます。

INSTAGRAM

SNS自動連携の拡充

Instagram Graph APIによるフィード自動表示をすでに実装済み。 今後は投稿の自動生成やSNSマーケティングの自動化も検討しています。

SEO

コンテンツマーケティング

点呼BPO・IT点呼・倉庫保管に関する専門コラムを定期発信し、 「点呼 BPO」「遠隔点呼 代行」などのキーワードでの検索上位を目指します。

AI OPS

AI駆動の運用体制

コンテンツ更新をAIに指示するだけで、コード生成からデプロイまで完結する運用体制を確立。 Web担当者が不在でも、サイトを最新の状態に保ち続けます。

SUMMARY

まとめ

運送会社がNext.jsでコーポレートサイトを構築する—— 一見すると異色の取り組みに見えるかもしれません。 しかしその本質は、「本業に集中するために、ITの力で無駄を省く」という、 きわめてシンプルな判断です。

WordPressの管理に費やしていた時間をゼロにする。 セキュリティの心配から解放される。 そして何より、「物流 x IT」企業としてのブランドを、サイトそのもので証明する。

物流業界のDXは、大手だけの話ではありません。 中小の運送会社でも、正しい技術選定と運用設計があれば、 最先端のWebサイトを持つことは十分に可能です。

新生物流は、自社の経験を活かし、同じ課題を抱える運送会社のIT化支援も行っています。 ホームページのリニューアル、kintone導入、IT点呼システムの選定など、 お気軽にご相談ください。

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