COLUMN
コラム
これからの運送会社に
必要なツールの話
〜 経営目線とSE目線から 〜
少し前まで、運送業界のコンプライアンスは「守れたら良い」くらいの空気がありました。 しかし今は違います。免許更新制の導入が現実のものになりつつある今、コンプライアンス違反は事業の継続そのものに直結するリスクになりました。免許が更新されなければ、どれだけ優秀なドライバーがいても、 どれだけ良い荷主と付き合いがあっても、会社は終わりです。 「なんとかなってきた」という経験則が通用しない時代に、私たちは入っています。
コンプライアンスは
「努力目標」ではなくなった
免許更新制、2024年問題、物流改正法、適正化二法——。 ここ数年で運送会社を取り巻く法律は一気に変わりました。 共通しているのは、いずれも「記録できているか」「証明できるか」を問われるということ。これらは精神論や根性では乗り越えられません。 適切なツールで「見える化」し、日々の業務として積み上げていく仕組みが必要です。 以下、4つの法対応について、必要なツールを経営目線とSE目線の両方から整理します。
WHAT YOU NEED
法対応に必要な4つのツール
VISUALIZE TIME
2024年問題時間を「見える化」しないと詰む
ドライバーの時間外労働時間の上限規制——いわゆる2024年問題は、運賃や配送能力への影響として語られることが多いですが、経営者として本当に怖いのは「把握できていないこと」です。
超過が発生しているかどうかすら分からない状態で、監査が来たらどうなるか。デジタコや勤怠管理ソフトを入れる目的は、効率化ではなく、まず「証明できる状態を作ること」です。記録がなければ、守っていても守っていないのと同じになる。これが今の現実です。
TOOL POINT
ツール選びのポイントはシンプルで、デジタコのデータと勤怠管理ソフトが連携できるかどうか。二重入力が発生する仕組みは、現場が必ず崩れます。
PROTECT BY DOCUMENTS
物流改正法荷主との関係を「書面と仕組み」で守る
物流改正法により、実運送管理簿の保管、運送申込書・引受書の整備が義務となりました。さらに荷主との協議による契約内容の見直し、具体的には付帯作業料、待機時間、燃料サーチャージの明文化が求められています。
ここで多くの運送会社がつまずくのが、「言った言わない」の世界から抜け出せないことです。メールや書面でのやり取りは当然として、燃料サーチャージの計算根拠を荷主や協力会社と共有できる仕組みが必要になってきます。
TOOL POINT
理想は、荷主・協力会社向けのポータルサイトを設け、運賃改定の根拠となる燃料価格の推移や計算ツールをオープンに共有すること。「なぜこの運賃なのか」を説明できる会社だけが、今後の荷主交渉を対等に進められます。
KNOW YOUR COST
適正化二法原価を知らずに運賃は守れない
適正運賃収受の義務化により、数年ごとに適正原価のアンケートや調査が行われる流れになっています。そのとき、自社の原価を正確に答えられない会社は、適正運賃を主張する根拠を失います。
車両一台あたりの固定費、変動費、ドライバーの人件費、燃料費、高速代。これを路線別・取引先別に把握している運送会社は、まだ少ない。どんぶり勘定で回ってきた時代の終わりが、法律という形で明確に示されました。
TOOL POINT
原価計算ツールは高価なものでなくて構いません。自社の数字を毎月正確に入力し続ける習慣と仕組みが先です。
RECORD EVERY DAY
免許更新制書類は「その日」に作るものではない
免許更新制に向けて、運行管理に必要な書類の整備が求められます。点呼記録、乗務記録、整備記録、教育記録。これらは更新審査のタイミングで慌てて作るものではなく、日常業務の中で積み上げていくものです。
審査のときだけ帳票を揃えようとしても、記録の連続性や整合性で必ず破綻します。日々の運用がそのまま審査資料になる仕組みを、今のうちに整えておく必要があります。
TOOL POINT
ポイントは「審査の日に作らない」こと。点呼・乗務・整備・教育の記録が、普段の業務をこなすだけで自動的に揃っていく運用を設計しておきましょう。
ツールは目的ではなく、
経営を守る手段
デジタコ、勤怠ソフト、原価計算ツール、ポータルサイト。 いずれも「入れれば終わり」ではありません。 それぞれが何のために存在するのかを経営者自身が理解し、 現場に落とし込んで初めて機能します。
私自身、運送会社の経営者としてこれらの課題と向き合いながら、 SE目線でツールの設計や導入支援も行っています。 「何を入れれば良いかわからない」「今の仕組みで法対応できているか不安」 という方は、お気軽にご相談ください。 同じ経営者として、現場目線でお答えします。
法対応とツール、何から手をつけるか一緒に考えます
2024年問題から免許更新制まで、運送会社の現場とITの両方を知る立場から、 御社に本当に必要なツールの選定・設計・導入をサポートします。


