新生物流有限会社

一般貨物自動車運送事業・倉庫事業

倉庫保管料の計算方法

約5分

保管料の計算単位

保管料の計算方法は、主に5つの種類で計算されます。

①坪建て制

坪建てとは、保管に使用する坪数をベースに保管料を計算する方法です。
もっともポピュラーな計算方法であり、さまざまな荷物に対してフレキシブルに対応できます。
坪建てによる契約方法としては、都度使用した坪数に応じて請求する「使用坪契約」と、あらかじめ使用する坪数を固定する「固定坪契約」があります。
坪建てでは、1坪あたりの単価を決め、契約した坪数を掛けて計算するのが一般的です。

②個建て制

個建てとは、保管した荷物の個数によって保管料を計算する方法です。
個建てによる契約は、荷物のサイズや内容がほぼ均一である場合に利用されます。
個建てでは、荷物1個あたりの単価を決め、実際に倉庫に保管した荷物の個数を掛けて計算します。

③パレット建て制

パレットとは荷物を載せる板状の荷役台のことです。
パレットに多くの荷物を載せ、フォークリフトなどの荷役運搬車両でまとめて運搬します。
パレット建てでは、事前に定めたパレットあたりの保管料に、実際に使用したパレットの個数を掛けて計算します。
同じ荷物を大量に扱う場合、パレット上にすき間なく積み上げ、パレット単位で移動させることで倉庫業務・物流業務の効率化が可能です。物量によっては、個建てからパレット建てへの変更により、保管コストを引き下げられる可能性があります。

④容積建て制

容積建てとは、荷物の容積(縦×横×高さ)で保管料を計算する方法です。
海外から輸入する荷物はコンテナに入れて運搬されるケースが多いため、コンテナ内に占める容積に応じて保管料を計算するのが一般的です。
容積の単位としては、主に立方メートルが使用されています。コンテナを使用する場合は、その移動に特別な設備・操作が必要です。保管料だけでなく設備の使用料や作業料などが発生する場合もあります。

⑤重量建て制

重量建ては、荷物のサイズに関係なく総重量によって保管料を計算する方法です。
液体など重量が大きい荷物や、サイズの計測が難しい荷物によく利用されます。重量建てで計算する場合、1トンや1kgなどの単位を使用します。
倉庫によっては、床の耐荷重によって保管できる重量の上限が決まっている場合もあるため注意が必要です。
また、保管するのが液体であるため、漏れの発生などに備えておく必要もあります。

3期制による保管料の計算

坪建てや容積建てのように、決まったスペースに対して計算する保管料であれば、期間中に保管料が変動することはあまりありません。
しかし、個建てやパレット建てのように入出荷によって数量が変わる契約の場合、実際の物量によって保管料が変動します。ここでは、個建て制契約において3期制について解説します。

概要

3期制とは、1カ月を3期に分けて計算する方法です。
1期は1日~10日、2期は11日~20日、3期は21日から末日までとなります。
3期それぞれの保管料を計算し、合算した金額を1カ月分の保管料とします。

計算方法

3期制の保管料の計算は、以下の通り行ないます。

保管積数(前期末の在庫数 + 今期の入庫数) × 保管料単価 = 1期あたりの保管料

以下、具体的に計算例を紹介します。

■入出荷の状況
・前期からの繰越在庫数は20個
・1期は入庫なし、出庫数5個
・2期は入庫数15個、出庫なし
・3期は入庫数25個、出庫数30個
・1期あたりの保管単価は150円/個

■保管料の計算
・1期の保管料:20個×150円=3,000円
・2期の保管料:(15+15)個×150円=4,500円
・3期の保管料:(30+25)個×150円=8,250円
・1カ月保管料:3,000円+4,500円+8,250円=15,750円
・次期への繰越在庫数:25個

3期制による計算では、前期からの繰越在庫数と期中の入庫数によって保管料が決まります。
期中に出庫されたものについては、次期への繰越在庫数に反映されます。

1期制・2期制との違い

1期制では、1日から末日まで分けることなく1つの期間として計算します。
2期制では、1期を1日~15日、2期を16日~末日と2分割して計算します。

固定費的に扱われることの多い保管料ですが、1カ月をより細かく分けることで、期中の入出庫状況を反映させた変動費的な扱いをすることが可能です。

メリット・デメリット

3期制のメリットは、在庫量と入出庫の状況に応じて保管料を決められることです。
保管料の計算を3期に分けることで、1期制や2期制よりも細かく在庫状況を反映した計算が可能となります。
デメリットとしては、入出庫のタイミングによっては実際の在庫量に対して料金が高くなる可能性があることです。
例えば、期の最初に多くの荷物を出庫し、最後に多くの荷物の入庫がある場合、期中に保管していた荷物が少ないにもかかわらず保管料は高くなってしまいます。
3期制においては、入出庫のタイミングをコントロールすることで、保管費用を安く抑えることが可能です。

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